アイスノーボード
雪と夏。
重いスノーボードを運ぶ時、雪の道にスノーボードを刺して支えながら移動した経験があります。休憩所の端の方には多数のスノーボードが雪に突き刺さっている光景が広がっていました。まるで、冷蔵庫の中で列を作るアイスキャンディーの棒のように。この時、雪山に突き刺さるスノーボードがアイスキャンディーに見えました。埋められたスノーボードの先は一体どんな模様をしているのだろうか。はたまたとんでもなく長いスノーボードかもしれない。そんなことを思ううちに、アイスキャンディーの当たりくじのワクワク感と擬似していることに気がつきました。
暑い夏の日のお昼に体を冷やす目的で食べ始めたアイス。特に気にもかけずに買った当たり付きのアイスはあわよくば当たっていればいいという小さい欲と一緒に袋を開けます。食べ終えた頃には無垢な木の棒が一本だけ残っており、ワクワク感は体の熱と一緒にどこかに消えていきました。
雪山の記憶と夏の記憶が入り混じった矛盾した作品ができました。