あじの本
残酷でポップなあじ。
この作品は「開く」というニュアンスだけに注目して無理矢理アイデアを絞り出してみた作品です。
類似している点は本の紙をめくって開くという動作と魚をさばいて開くという点です。
わたしは魚をさばく経験は内臓を取り出したことがあるくらいでほぼ皆無です。あじの開きは言葉通りにお腹から開いているので、よくよく考えるとさばくシーンは酷いことになっているのは私でもイメージがつきます。それをポップにまとめてしまったのがこの作品でしょう。紙をめくって開くという簡単な動作と複雑で酷いことになっている動作の大きな相違が合わさることで意外性をもたらし、面白みを持たせていると思います。
自分でも馬鹿馬鹿しいと思う作品ですが結構気に入っています。
本のページを開いていくと紙がだんだん赤みを帯びていきます。魚の身の色ので遊んでみました。本の中には魚の骨の形をした栞が入っています。骨を取り出すシーンもリアルに考えると怖いものですがポップさがいいアジを出しています。